ニュアンスを伝えるフレーズ

【3669】a blessing in disguise:不幸中の幸い

アンちゃんのハローイングリッシュ

【フレーズ】a blessing in disguise

《アブレッスィン(グ)インディスガイズ》

【意味】不幸中の幸い/禍を転じて福となす

 

【ニュアンス解説】

in disguise は「変装した」という決まり文句でしたね。a blessing は「幸福/神様からの恩恵」という意味なので、直訳すると「姿を変えた幸福」というようにとれます。
どういうことかというと、「一見災難に見えたけれど、後から実はよかったとわかる」というニュアンスで、日本語の「不幸中の幸い」や「禍を転じて福となす」に非常に近い意味で使われています。

【例文】

1. 大雪で立ち往生

A. I was supposed to be on that train but I missed it.
<僕はその電車に乗る予定だったんだけど、逃しちゃったんだ。>

B. I guess that was a blessing in disguise. I heard that passengers were stuck for hours on that train.
<それは不幸中の幸いだったようね。乗客は何時間も立ち往生だったそうよ。>

A. Oh man, I was lucky.
<ありゃぁ、僕はラッキーだった。>

2. 解雇直後に開業した店が大盛況

A. My business is going really well.
<事業は絶好調だよ。>

B. You look a lot happier, and healthier too.
<それに前より幸せそうだし、元気そうね。>

A. I am. Being laid off was truly a blessing in disguise.
<だね。解雇されたのは本当に不幸中の幸いだったよ。>

前回の in disguise 同様、しっかり使い方をマスターしましょう。

 

 

今日のゲストコラム

World Hot news 〜Finland 

from AYANA

日本語みたいなフィンランド語

日本から遠く離れたフィンランド。しかしフィンランド語と日本語は、実はとてもよく似た言語なんです。この記事を読んで、少しでもフィンランドに親近感を持ってもらえると嬉しいです。

フィンランド語は難しい?
日本語とは共通点がたくさん

 欧州諸国の間では、ヨーロッパ一難解な言語として悪名高い?と言われるフィンランド語。ただし他国の言語の難易度というのは、得てして「自分たちの言語から如何にかけ離れているか」という主観的な尺度で語られるものです。欧州の国々で英語以外に話される固有言語のほとんどは、大きく分けてドイツ語に代表されるゲルマン系言語、フランス語に代表されるラテン系言語、そしてロシアや旧ソ連諸国などで話されるスラヴ系言語のいずれかに属します。一方、総人口わずか500万人あまりの小国フィンランドでは、いずれにも属さない、現代では希少となったフィン・ウラル語族の言語を公用語としているのです。表記文字はアルファベットですが、発音体系も単語名も文法も、他の欧州言語とは驚くほど違います。それゆえ、他の欧州諸国の人々にとっては、類推の不可能な最難解言語と思われがちなのです。

英語などからは全く類推できないフィンランド語の並び

 ところが、日本語は、そんなフィンランド語に「たまたま」共通点の多い言語だと言えます。比較言語学的な観点では、フィンランド語と日本語が親戚関係にあるとは言いがたいです。しかし、無関係であるはずのこの2つの言語には、偶然とは思えないくらいによく似た特徴があるのです。
 文法にも類似点が多いのですが、初心者でも分かりやすいのは、ズバリ発音がそっくりの単語がとても多いということです。例を挙げればキリがないのですが、例えばフィンランド語でシカ(Sika)は日本語で豚で、カニ(Kani)はうさぎ、スシ(Susi)はオオカミです。さらには、ロウバ(Rouva)は老婆ではなく女性全般を指す言葉だし、クルクルパ(Kulkulupa)、プータロ(Puutalo)はそれぞれ、通行許可証と木造建築を意味する言葉。筆者はかつてフィンランドの大学で木造建築を学んでいたのですが、「日本人は、私がフィンランドで浮浪者の研究をしてるのでは、と疑うんだよ」という話は、日フィン双方の民族を前に笑いを取りたいときの鉄板ネタです。他にも、ポイス(pois)=ポイする(捨てる、除去する)…なんて偶然の産物ワードまで存在します。

意味は分からなくとも、日本人が声に出して読むのは難しくない?

 実は、フィンランド語の世界で、発音すると日本語にそっくりな単語が生まれやすい理由はちゃんとあります。それはフィンランド語の単語が、ローマ字で書いたときの日本語同様、必ず子音+母音のユニットによって一音を成し、その連続で組み立てられていることです。しかも、同じ子音が2つ続けば小さな「っ」に相当する休止が生まれ、同じ母音が連続すれば長母音(伸ばす棒)となります。Kissaはキッサ(猫)で、Kuumaはクーマ(暑い)、といった具合です。極論を言えばフィンランド語初心者の日本人でも、カタカナ読みするかのように発音すれば、現地人にだいたい理解してもらえるのです。どうです、これを聞いたら、英語の次はフィンランド語を勉強してみたいという気持ちが生まれてきませんか…?

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こばやしあやな(ayana)

こばやしあやな(ayana)

2011 年にフィンランドに移住し、国際結婚を経て、2016 年に現地大学院の修士課程を修了。在学中からフリーランスで在住ライター・メディアコーディネーター・翻訳通訳者としての活動を始め大学卒業後には会社を設立して事業を続けている。
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